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翌日、由利が教室で友達と話していると、佐々木と高屋が入ってきた。
高屋は気軽にクラスメイトとあいさつを交わしていたが、佐々木は誰とも話そうとせず自分の席に向かった。
「おはよう」
由利は佐々木を呼び止めてみた。
背後で一緒に話していた友達が驚いて会話を中断した。
いつの間に仲良くなったのだろうかとこちらを窺っている。
「あ、おはよう」
佐々木は自然にあいさつを返してくれた。
「今日のSHRで文化祭で何やるか決めるんだよね」
「そうなんじゃないの。あいつに訊いてみれば?」
そう言って高屋の方を指差した。
「そう言えば、昨日、高屋君ってどうだったのかな?」
「ああ。こっぴどく怒られたらしいよ。まあ、そりゃそうだろって感じなんだけど」
佐々木の顔に僅かな笑みが浮かんだ。
嘲笑いの禍々しさはなく柔らかい笑みだった。
SHRでは高屋が司会をしてアンケートが取られた。
模擬店か展示のどちらをやりたいか、という内容でやりたい方に挙手をしてもらうという方法だった。
なぜそうしたかというと、最初は紙に書いてもらおうとしていたのだが佐々木が、「いちいち集計するのは面倒だよ。その場で手を挙げてもらった方がいいって。どうせ展示になるだろうし」と言ったからだ。
佐々木の言うとおり、書いてもらう紙を用意するところから始まり、その紙に希望を書いてもらい、それを集計するという手間を考えれば、挙手してもらうだけの方が遥かに楽だ。
由利も高屋もその意見に同意した。
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