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「なあ」と佐々木が呼びかけてきた。
「本当にお前が襲われたことと、強姦事件は関係がないのかな?」
「お前がそう言ったんだろ」
「そうなんだけどさ。可能性はなくはないよな?」
「何だよ? 急にどうしたんだよ?」
佐々木は少し恥ずかしそうに言った。
「いや、何か、それぐらいドラマチックなことって起きないのかなって」
「犯人が俺に罪を着せようとして、それを俺たちが捕まえるみたいな?」
「簡単に言えばそういうことかな」
高屋はへへっと笑った。
「そうなったら楽しそうだな。でもそんなことを言い出すなんてお前らしくないな。何かあったのか?」
「いや、お前がさっき言ってただろ。俺たちで何か出来るのもこれで最後かもって。どうせだったら何かでかいことしたいって思っただけだよ」
「じゃあ、早速、今日にもあの公園に行くか?」
「だから、それとこれとは話が別だって。もう少し待ってからだ」
「そんなことしてたら後手後手に回るぞ」
「それは仕方ない。今はリスクを冒すタイミングじゃない。ほっといても、直にお前が襲われた理由ははっきりするだろ」
「何かすっきりしないな」
そして、体育が終わり教室に引き上げた。
またこれから二コマも授業があると思うと憂鬱になった。
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