三年6

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 由利は自分の部屋の机に向かってさっきまで図書館で勉強していたことの復習をしていた。  そうすることで記憶がより定着するのだ。  ざっと全体に目を通し、出来なかった問題にもう一度挑戦する。  そして、その中でも重要と思われる箇所を抜き出して紙に記し、また翌日にそれを含めた過去一週間分の紙を見返す。  これは佐々木がやっている勉強法で、由利も真似てみると予想以上に効果があった。  今日は有機化学の問題だ。  化学というのは基本的に知識の問題が多くて、社会と同じようなものだ。  本来は理論で全てが説明出来るらしいが、高校の学習範囲では無理なのだ。  なので、歪んだ説明でまとめてしまっているものも多いというのが化学の先生の言い分だ。  だから先生に聞いても、それは大学で化学を専攻しないと理解できないと言われてしまう。  特に有機化学の範囲はそれが多くて、今日勉強したベンゼン環などがそれに当たる。  ベンゼン環は正六角形らしいが、二重結合と単結合から出来ているならそれはありない。  そこにこだわっていても仕方ないが、これは有名なことらしく受験問題にもなったことがあるらしい。  だから知識として知っておくべきだそうだ。  こういう知識を参考書片手にまとめていく。
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