三年7

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 翌日、佐々木の疑問の一つが解けることになる。  それは高屋が襲われた理由だ。  佐々木はこの日もいつもの交差点で高屋と出会った。 「昨日、何か変わったことは?」 「特に何も。お前に言われた通りに遠回りして帰ったからよく分かんないな」  そう言っているが明らかに高屋の顔がおかしい。  嘘をついているのは明白だ。 「何があったんだ?」 「だから何もないって」  むきになっているがそれが一層、嘘だと言っているようなものだ。 「ばればれだって。何かあったんだろ?」  少し躊躇いを見せたが、高屋は意を決して口を開いた。 「昨日、公園の近くまで行ったんだ。でも、近くまでだからな。中には入ってねえよ」  申し訳なさそうに言い訳をしている。 「それで?」 「何となく気配を感じたんだ。誰かにつけられてるような。いや、気のせいだろうと思うんだけどさ、さすがにあんなことがあった後だから気持ち悪くてさ」 「何もなかったんだろ。だったら気のせいだ。一昨日は襲ってきたのに昨日はつけるだけっていうのはありえないだろ」 「そうかな?」 「そんなに不安なら公園に近づくなよ。意外と小心者なんだな」 「お前は実際に襲われてないから言えるんだよ。一回襲われてみろって」  高屋にはどこかほっとしたような雰囲気が出てきた。  佐々木にはそれがなぜだか分からない。
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