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「じゃ、行くか」
健人は教室の扉を開いた。
それに続き梓、竜眞、雄哉の順番で廊下に出た。
「アルディ、包帯取れば? 私達しか見てないし、他の人は止まってるし」
「そう、だな」
梓に言われて雄哉は包帯を取った。家以外で赤眼を出したのは8年ぶりだった。
「……私、気になったんだけどなんで左眼だけなんだろうね」
「親の眼の色がバラバラだったからじゃないの?」
「うん。ハーフだからね」
「僕、赤眼好きだけどなぁ。もし僕がアルディの近くに居たらすぐ友達になるよ」
赤眼を褒められたのは初めてだった。凄く嬉しかった。
「あっ、僕の木刀忘れた」
「そういえば私も剣忘れてた」
「僕もだ。雄哉は? 武器、持ってないの?」
「武器……? 持ってない……」
刀や剣なんて危険な物持っている訳がない。
「じゃあ今日は行くのを止めて、シルダさんにアルディの武器、作ってもらうか」
「シルダさん?」
「シルダさんはね、武器職人なんだよ。私の剣もアタッカーの銃もクロウドの木刀もシルダさんが作ってくれたの」
シルダとはどういう人物なのか……。雄哉はそんな疑問を持ちながら上の世界、[デリヤスバリヤス]へ────
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