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俺の名前は折原雄哉。中学3年生の15歳。
両親は5年前に事故で死んだ。
それ以来、1人暮らしをしている。
両親が死んだ時、涙なんか出なかった。出したくなかった。
あんな親達、今でも嫌いだ。顔なんて2度とみたくない。
1人称が『俺』になったのも5年前。
今でも友達は居ない。この赤い眼のせいで。
左眼は出さずに包帯で隠している。
今では話し掛ける人はたまに居るが、やはり休み時間は周りの誰も居ない。
友達の居ない暇な一日が今日も始まると思っていた。
「折原……先輩!!」
「あ……?」
雄哉に話し掛けてきたのは2年の浦富竜眞。
浦富が雄哉に話し掛けてから、教室の空気が変わった。
教室中の視線が雄哉と竜眞に向けられる。
「あの……図々しいですが……僕等のクラブに入ってくれませんか?」
一体何を言いだすかと思うとクラブの勧誘だった。
「入らない。クラブなんて……」
雄哉はこれ以上孤独を味わうのは嫌だった。
どうせ1人なら今までの様に誰からも話し掛けられない、[自由]の方が幸せだ。
「俺は入らない」
「お願いです、僕等の部1人、足りないんです!」
「嫌だって言ってんだろ! うちの学校、無理矢理な部の勧誘禁止だろ!?」
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