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携帯を手に取り、名雪の番号を押す
携帯を耳に当てると無機質な音が鼓膜に響く
暫く続くかと思われたその音はすぐに切れ、ワンコールを経たない間に名雪との電話は繋がった
名「もしもし昴?昴から電話なんて珍しいじゃん!!もしかして昴も腐の素晴らしさに気付いて萌える話を聞きにきたの!?それなら語ってあげよう!!今日廊下を歩いてたらさー・・・・・・」
昴「ちょっと待て名雪。俺は腐の素晴らしさに気付いた訳でもないし、萌え話を聞きにきた訳でもない」
俺が一言も声を発する前に語り出そうとした名雪をようやく止める
危なかった・・・
さっきのタイミングで止めなかったら、一時間は名雪の萌え話を聞くことになった・・・
名「えっそうなの?なーんだ。残念。
じゃあ一体どんな用件?」
心底残念そうに名雪はそう呟き、俺に用件を尋ねてきた
俺は名雪の問いにすぐ答えることが出来ず、少し間を開けてからやっと返事をした
昴「・・・・・・実は相談があるんだ」
名「相談?なになに?なんでも言ってよ!!あっ、もしかして深山先生とのこととか?」
名雪にズバリ言い当てられて、ぎくりと肩が跳ねる
昴「・・・・・・・・・・・・・・・あぁ・・・」
じっくり間をとって返事をした俺に、名雪は電話の向こう側で大きな悲鳴をあげた
・・・名雪が今、凄いキラキラした顔で興奮しているんだろうなぁ、と想像できる自分に小さく溜息を吐いた
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