あるぼっちの生き方

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誰かの後ろを歩き続けること程、楽な生き方はない。 誰かの後ろを歩けば躓くことはまずない。でも、前を歩く人間は後ろを向かない。前を向き続けるか、それとも、同じように前を向く人間の横顔を見るだけ。 自己主張せず、後ろばかり歩き続けてきた。自分の後ろには誰もいない。前を行く誰かに決して追い付かないように、時々足を止めて周りを見回して、そうしてまた歩き出す。その繰り返し。 そんな生き方をしてきた自分だけど、心のどこかで自分の隣りを歩いてくれる存在を望んでいた。 自ら独りになったというのに、独りの時間が長いと人恋しくなる。しかし周りには誰もいない。だから独り。なんというジレンマ。 「……………」 人間という生き物は、とても我儘で、とても欲深い。自分もその内の1人で、どう足掻いても人間だった。 今までも、きっとこれからも。
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