プロローグ

2/3
前へ
/4ページ
次へ
朝の光が目にあたり、俺の眠気を覚ますように降り注ぐ。 少し憂鬱な気分になりながらも、体を起こす。 あらかじめ置いてあった惣菜パンを食べつつ袖に手を通した。 制服に着替え終わり、鏡で自分の姿を確認するとまた憂鬱になる。 学生だったら勉強が辛い、部活が辛い等いろいろなことで憂鬱になると思う。 俺の場合は皆とは違う。 あるモノがあって、あるものがなくなったのだ "どういう意味だ"と疑問に思うだろう。 そのままの意味で受け取ってくれていい。 一般に言う"性転換"ってやつだ。 なぜこんなわけのわからない境遇に陥ってしまったのか 4ヶ月ほど前、とある条件と引き換えに「性転換をする」という要求をのんだからだ。 "俺が学校に通う条件として" あれは1年前、俺がまだ男だった時。 学校にはとても仲の良かった友達がいた。 そいつらと馬鹿やって、学校生活に充実感を覚えたある日のことだった。 俺はある事件を起こして高校生活を台無しにしてしまう。 いや、自業自得なのかもしれない。 正義の味方ぶっていた俺が幼馴染である水無月 佳奈を助けたことから始まった。 それを助けた俺は人に暴力を加えて退学になった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加