プロローグ

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ここで弾のような物が、俺の頬を掠めた事に冷や汗が出てくる。 弾丸が、俺の頬を? 男は弾を誰が撃ったかは知らない。当然俺と神奈川も知らない。 男は怒り始め、重そうな足を引きずり俺の方へ近付いてきた。 だが足を踏み出して一歩、俺はそいつを簡単に見失った。 男の前に、男と同じくらいの背の女性が立ち塞がっていた。 背中に大きくドクロのマークがプリントされているシャツが目立っている。 男はその女の登場に驚いたのか、足の動きを完全に止まり、固まってしまった。 ドクロの女は、その場でぼそぼそ小声で何か言ったのが聞こえた。 パンッ!!と 「くそっ……」と男は銃声の音が絶つのと遅れて声をあげる。 そのまま両足を同時に付き、虚ろな目をゆっくりと閉じながら、白いコンクリートにくたばる。 何が起こったかさっぱりだった。 俺を刺したあの男は、たった今ただのタンパク質の塊と化したのだ。 「雑魚っ」 女は、ニッと苛立ちを覚えさせる笑みで、動かないそれを嘲る。 恐怖で足がすくんだ。胃が収縮する感覚で、気分が優れない。 神奈川は呆然として、状況を理解できてない。
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