圧倒的な科学力

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  銀行強盗がくる気配はまだない。 今のうちにできる準備はしておいたほうがいいだろう。 武器になりそうな物をポケットに突っ込み、全員の居場所を頭に叩き込む。 そして脳内で銀行の見取り図を完成させた。 「あっママ、蝶々さんがいるー」 背後から声が聞こえたので振り返ってみると、俺を指差す幼女と熟女がいた。 親子連れか。 「こらやめなさい。すいません」 熟女が幼女の指を慌てて下げさせると逃げるように俺の前からいなくなった。 蝶々? ここは室内だよ? いやいや、今はそんなこと考えてる場合ではなかった。 制限時間も短い。人質になってからでは動きにくくなるな。 しかし隠れられるような場所はないため、入り口から死角になる所で息を潜めることにした。 下手な様子見は命取り。 勝負は強盗犯が銀行を完全に掌握するまで――――  
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