思い立つ

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俺たちは 一つの伏し目を 迎えようとしていた。 高校を卒業し、 それぞれが この街を離れるという… この街を離れるということに 特別な必要性はない。 だが俺たちは離れることを決めていた。 それぞれの夢や目的のために。 この街で育ち この街で仲間たちと出会い 共に成長してきた。 いつも意味もなく ただただ 何気ない会話をしたり 夢を語ったり 将来を語ったり 思い出を語ったり バカな話をしたり… 本当にたわいもないことを話して 共に時間を過ごしてきた。 今後会えなくなる訳でもないのに 日々の流れが 時間の流れが 淋しく寂しいものだった。 そしてこの日 四人の道は 決まることになる。 そんなことは この頃は まだ知るよしもない。
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