遠ざかる意識

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――俺はどうして、こんなにひんやりとするアスファルトの上に寝転んでいるんだろう。 こんなところに倒れても、気持ちよくないだろ。   いつもは聞き流している、うねるようなサイレンが彼ーー修斗には、はっきりとものすごく近くで聞こえている。 普段は気にも留めていないそれが、 今はこの自分のために鳴らされているということは、修斗にはにわかに信じがたかった。 彼は何かを探すように、空中に視線を彷徨わせた。 しかし焦点が定まらない。 修斗の視界がふっとぼんやり霞む。 それは涙のせいだった。 生暖かい滴が彼の頬を伝って、アスファルトにぽたりと落ちる。
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