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相変わらず変化のない、ひたすら黒い景色。
彼は、自分自身が次第に不安に飲み込まれていくのがよく分かった。
進んでも進んでも変化の無い、同じ景色の繰り返し。
ーー無、闇、……恐怖。
ここから出たい。
この何処とも分からない真っ暗闇の場所から。
光が見たい。
修斗はそんな思いに駆られ、自然と足の動きが速くなる。
しかし、自分が前にしっかり進んでいるのかすら、
彼には分からなくなっていた。
それでも、探せば出口は見つかるかもしれない。
……そう、「かもしれない」。
実は出口など本当は無くて、彼がこうして歩いているのも無意味な可能性も、充分にありえるのだ。
この先ずっとここから出られないのではないかという寒心に堪えられず、彼はその場にへたり込みそうになる。
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