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羨ましさ、嫉妬、憎悪、尊敬。さまざまな視線の中で、俺達はいつも通りの帰り道を歩いている。
筆を握らせれば、絵のコンクールで入賞し、スポーツをさせれば、必ず全国レベル。挙句の果てにたいした勉強もしないのに、模試では全国10番以内。さらには生徒会長もやっている。
長い髪ではなく、肩にかかる程度に髪を伸ばし、少し身長低めで、かわいらしい顔が保護欲をそそらせるとか。
こんな完璧スーパー女が俺の隣で歩いているのだ。当然俺に嫉妬などの視線がむけられる。
昔から家が隣にいたのが幸いしたのか、それとも父親同士の職場が一緒で会う機会が多かったからなのか、幼稚園はもちろん、小学校、中学校、挙句の果てに家族でのキャンプする時まで一般人な俺と一緒だった。
世間的に言う幼馴染というやつだ。先月に高校生になった今も、昔と変わらずだ。彼氏、彼女という関係よりも 親友以上恋人未満 と言う小説内でしか見られないきわめて稀な関係だ。
そんな俺の幼馴染。坂野 由美(さかの ゆみ)といつもの帰り道をいつものように帰っている。
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