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「僕たちはここの人たちを助けるために来てるんです。死ぬなんてことは許されないですよ」
その言葉はとても力強かった。
「そうだな、いつも通りに守りきるか」
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第3騎士団の大半と防衛班の半分が外で残りは内側を守っており、戦況は既に激化していた。
1人で1体を相手に出来る実力者が多くいるわけではないため、基本は足止め。
そこを第3騎士団長を筆頭に片っ端から潰していく。
それがベストな戦法なのだが、それを青の存在が邪魔をする。
そのため、この中で上位の実力者たちが優先的に青を排除していく。
この戦いがすぐに終わる訳もなく、足止め組の消耗は激しく、内側の守りから次々と人が送られていく。
ヒュージもその1人であり、仕留めきれていない赤の相手をしていた。
「隆起せよ、アースウォール!」
弱っているとはいえ、ヒュージたちが1人で勝てるはずもなく、動きを止めてから全員で叩くという戦法をとっていた。
地属性のヒュージは主に動きを止める役に回っているが、複数人で囲ってもなかなか止められない。
「燃え尽きろ、ファイヤーバーナー!」
しかも中途半端な攻撃ではダメージはあっても倒すことは出来ない。
この集団で相手するのはこれで2体目だが、精神的にも肉体的にも疲労が蓄積していく。
「ちぃっ!ふっ飛べ、アースインパクト!」
ようやく膝をついた赤に爆砕に岩を纏わせて叩き潰しにかかるが、赤の肉体によって弾かれてしまう。
「くそっ!」
思わず悪態をついてしまったとき、後ろから貫通性の魔法が複数飛んできた。
「助けにきたです!」
振り返ったそこにいたのは衛生班。
普段から治療で魔力を使っているために1つ1つの威力はないが、数でカバーしていた。
「狙うのは核です!そこ以外はほとんど意味ないです!」
ユウは持ってきた情報を伝えると、ヒュージの近くに行って簡単な治療を始めた。
「まだまだ踏ん張って下さいですっ」
成長したユウのこの姿を見たヒュージは思わず笑みを浮かべる。
「あぁ、任せろ」
この情報が全体に伝わったことで戦況が動き始めた。
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