3人が本棚に入れています
本棚に追加
将希はビクリとして振り向くと一つ下の麗香がいた。
「将希先輩っおはようございます」
「麗香か…脅かすなよ」
「脅かしてませんよぉ~って先輩顔真っ青ですよ?!呪われてる人みたい…」
「な、なに言うんだッ!」
さらに青くなるじゃないかと将希は焦った。
「って嘘ですよぉ。昨日DVDでホラー見たから、つい思い出しちゃって…アハハハハ」
ケラケラと悪びれず笑う麗香を無視して将希は仕事にとりかかることにした。
「おはよーございまーす」
「おはよー」
「はよっす」
大丈夫、いつもと同じ朝だ。問題ない。
将希はパソコンの電源をONにした。
すると…
急に部屋の明かりが消えた。
目の前が真っ暗になる。
「どうしたんた?」
「停電か?」
「ブレーカー誰か見てきます!」
皆驚いて、慌てている。
けれど将希はそれどころではなかった。
窓際に人影があるのだ。ゆらゆら、ゆらゆら揺れてこっちを見ている。
ここは二階だぞ?!
ケータイがまたバイブをならす。
やめてくれ、
もうやめてくれよ…
首にひんやりと冷たいものがあたる。
人ではないねっとりとした感触。
ピタンピタンと将希の首筋を這う。
恐怖で後ろを振り返えることもできず、将希はただ窓にうつる人影を見ていた。
こっちくるなよ…
南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…
ふいに首筋から気持ち悪さが離れた。
そのとたん…
パッ
電気がついた。
将希はすぐに後ろをむいた。
しかし、後ろには誰もいなかった…。
窓を確認してみる。
もちろん人影はなくなっていた。
最初のコメントを投稿しよう!