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俺は…花枝にきちんと別れを言わなければならない。
あいつが俺より自分にあうやつを見つけるために。
将希はそう決意し目をつぶった。
…………………
……………
ガタンッ
電車が大きく揺れ、将希は目を開けた。
あぶねぇ…
いつのまにか眠っていたようだ。目的の伊豆まではあと2駅になっている。
iPhoneを開き、吊り橋の場所を調べているうちに熱海駅に着いた。
改札を出るとすぐにたくさんの土産物店や飲食店が広がる。
変わってないなぁ…
ブーブーブーブー
またバイブが鳴る。
ブーブーブーブー
電話か?
「はい」
「もしもし将希くん?!花枝知らないかしら?!」
ん??花枝のお母さん??
「いえ………」
「今日大切な用事があるのだけれど、昨日将希くんのお家に行ったきり連絡がとれないのよッ!!」
「え…今日の朝、僕の部屋から出て行きましたので帰られたのかと思ったのですが…」
「わかったわ、ありがとう、じゃ、花枝から連絡あったらご一報お願いします!」
ガチャン
ツーツーツー
お母さんは相当焦った様子だった。どれほど大事な用事なのだろう?
つられて焦ってしまう将希。
まさか……本当にあの崖から?!
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