君が居て 僕が居て そんな日常

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発声したら 反響し それは応えてくれる 僕が笑うと 君が笑って 失敗すると 呆れ顔して 嫌いだって言うと ばかって言って 拗ねてそのまま 寝ようとする 君が隣で微笑んで それで僕が微笑み返すと 気持ち悪いって睨まれる 発声したら 共鳴し それは応えてくれる 見たいのを忘れてると 一緒にうなだれて うまいって言うと でしょう?って得意げに 好きだって言うと 私もと言って 隣で無邪気に笑い出す 君が隣で泣いて 僕がそれを見て悲しくなると もっと泣き出して 貴方が悲しいともっと悲しいって ひとつ目を瞑って 開いたとき もし君が消えていたらどうしよう 声を出しても 誰も居なくて 名前を呼んでも 君が居なくて 君が好きな家具はぜんぶ最初から無くて 君の好きな部屋の色は真っ白で もしいま全て無かったことになったら 僕は一体どうなってしまうだろう もしこの日常が消えてしまったら 僕は一体いまどんな顔をしてるんだろう これがもし 夢や幻だったら これがもし 何もない虚無だったら いまもし 君が 消えてしまったら 目の前がかすんだ僕の頬に 君の手が伸びる ほっぺを握ると ぎゅん!と思いっきり君が摘む もう!なによ!と君が怒る 泣いてる僕を 君が笑う こぼれた涙をその手で拭って 大丈夫だよって 何も聞かずに 君が笑う 溢れた涙は 君を濡らす 指を伝って君を濡らす 君が居る ここに居る 当たり前に日常に 君が傍に居てくれる 僕は抱きしめ泣きじゃくる 君の手がそっと背に触れる 君の肩が涙に濡れる いっぱいいっぱい涙に濡れる 小さく華奢で温かなぬくもりを 僕はいつまでも抱きしめ続けた この世界には僕が居て 抱きしめると温かい君が居て その当たり前がうれしくて 今日も僕は声を出す 反響して共鳴する君が ここに居るから .
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