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車の扉が自動で開き、荷物を持って下車する。
下から見ても校舎はやはり大きかった。
柏ヶ丘学園のスケールの大きさには最早ついていけなくなって来た。
校舎を見上げていたら、知らないうちに車をUターンさせて隆尚が運転席から顔を出す。
「じゃあ柚香ちゃん、入学式頑張ってね」
「はい、ありがとうございました」
そういうと隆尚は窓を閉め、再び学校の門の方へ向かって車を走らせた。
走り去る車を見送ると私はバッグから学校案内のパンフレットを取り出して広げた。
このパンフレットには学校の教育精神などの他に地図がついている。
あまりに大きな学校のため、迷子になる生徒が跡を絶たないために添付するようになったのだと何かで聞いた気がする。
「現在地はここで、昇降口は、、、こっちか」
しっかりと位置と方角を確認してから私はゆっくりと歩き出した。
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