偶然は必然の運命を穿つ

初登校

昇降口に入り、とりあえず隆尚に教えてもらった職員室へ向かった。

校舎の中は外見よりは学校らしい造りで、白い無地な壁に天井は緑の断熱材のような物が貼られている。

廊下も淡いグリーンでところどころにシミが目立つ。

なんか、懐かしい感じのする校舎だなぁ、、、

どこか昔通ってた中学校のような内装に親近感が湧いた。

近くにあった階段を登っていくとすぐ目の前に職員室はあった。

小さな小窓のついた引き戸に、壁にはめられたスモークの様に白み掛かった窓からは慌ただしく動く影。

その前をバタバタと忙しそうに走る先生の姿。

さすが学校始めの日だなと思った。

「お、新入生だね？」

「えっ？」

不意に後ろから声がかけられた。

後ろを振り向くとそこには、白衣を羽織り、首には聴診器をかけた見るからに保健医の姿をした女性が立っていた。