偶然は必然の運命を穿つ

初登校

教室の中にはすでにたくさんの生徒が登校してるみたいだが、まだ先生の姿は見えない。

「ふぅ、間に合った、、、」

遅刻はなんとかまぬがれたことになり、額の汗を拭いながらホッと胸をなでおろした。

息を整えて黒板に掲示されてる座席一覧を確認し、席に向かう。

私の席は窓側の前から3番目の席。

荷物を机に乗せてゆっくりと席に着く。

「、、、だな。それから、、、」

「でしょ！あはは、、、」

周りを見ると、もうすでに何人かは交流を深めていた。

元々柏高はエスカレータ式に進級できるので中学校からの友達も多いのだろう。

友達が作れなかった私は教室の空気から疎外感を感じていた。

あんな風に楽しく話せる友達が私にも出来たらな、、、

「はぁ、、、」

近くで楽しそうに話す女子たちを見ながら気がつかない内にため息が出た。

「新学期早々ため息ゲット！」

「えっ！？」

突然後ろの席から声を掛けられてビクッとしながら私は振り返った。