初登校

30/31

14人が本棚に入れています
本棚に追加
/153ページ
「せっかくの新学年なのに朝一からため息なんてついてどーした?」 「え、あ、あの、、、」 突然のことにうまくついていけない。 後ろから声を掛けて来たのは女子生徒だった。 明るい茶髪のショートヘアにキリッとした目、目元にある泣きぼくろが特徴で、その元気っ子な様子は見るからに体育系のようだ。 満面の笑みで女子生徒は続けた。 「せっかく高校生になれたんだからもっと楽しくいかなきゃ!勿体無いぞ!」 「あ、うん、、、そうだね」 「あれ、そいえば見たことない顔だね!編入生?」 「は、はい。私は岩清水柚香といいます」 「岩清水柚香ちゃんだね!よろしくね!あたしは浦賀 優梨(うらが ゆうり)!気軽に優梨って呼んでね!」 「はい、よろしくお願いします」 軽く会釈をしてお互いに自己紹介をする。 しかし、私の固い態度が気に食わないようで優梨は顔をしかめた。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加