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「あ、えっと、、、」
思わず目をそらしてなんとも弱々しい声が出る。
優梨の知り合いなんだからちゃんと自己紹介しなきゃなのに。でも、この人やっぱりどこか優梨に似てるような、、、
目の形、鼻の高さ、そして同じ様に明るく染まった茶髪のショートヘア。
目の前で話してる2人はどこからどう見ても同じ人物に見える。
唯一の違いといえば性別くらい?
「柚香、こいつは優真。あたしの双子の弟だよ」
「双子っ!?でも性別が!」
そうだろうとは思ってたけど、ここまでそっくりだと、、、しかし、性別は普通同じになるのでは?
「一卵性の双子のなかでも異例なんだって。でも世界でも何件か性別の異なる一卵性双生児が生まれてるんだって」
「そうなんだ、、、」
初めて性別の違う双子を見たな、、、
驚きと興味で私はうまく言葉が出なかった。
「どうも、浦賀 優真です。優梨と苗字かぶっちゃうから俺のことは優真って呼んでくれ」
ニコッと笑顔になって優真は右手を差し出す。
「あ、編入生で優梨と同じクラスの岩清水柚香です。よろしくお願いします」
自己紹介をして同じく右手を差し出し、握手をした。
優真は紳士的なところもあるようだ。
「ごめんね、こいつちょっとキザっぽいとこあるからさ!」
「あ、優梨ひでぇ!あ、ところでうちのクラスに超面白いやつがいるんだよ!」
「その話はあとでね!とりあえず今は体育館にいこ!」
話しているうちに周りの生徒はすでに大半が移動しており、気がつけば周りは少しの生徒しか残っていなかった。
「そだね、とりあえず移動しよっか」
「だな、行こう」
3人はいそいそと体育館へと向かった。
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