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体育館は大ホールとも言えるような大きさで、その壁には紅白幕が全体的に掛けられていた。
壇上の上には校章と校旗が掲げられており、囲む様に椅子が並べられている。
向かうようにずらっと並べられた椅子は新入生と在校生、それに保護者の席だろう、軽く1000人近くは座れそうだ。
「やっぱ柏高の体育館もでかいなぁ!」
「柏高の体育館もって?」
優真の言葉を聞き、何気なく尋ねた。
「俺たちが行ってた柏中も同じくらいでかかったんだよ。生徒も柏高と同じくらい居たから」
「そうなんだ。私が行ってた中学の体育館とは大きさが比じゃないや」
私の行ってた中学校はこの体育館の半分よりも小さい。
確かバレーコート2面分くらいしかない一般的には普通の大きさの体育館だった。
「柚香の行ってた中学校てどーいうとこだったの?」
「うーん、普通のとこだよ」
なんとなく、そっけなく答えた。
というのも私は中学校で良い思い出がない。
話すのも嫌だったし、それを話して2人に嫌われるのが怖かったのだ。
どうやら気持ちを察したのか、それとも気がつかなかったのか、2人は追求をしなかった。
周りの生徒がぼちぼちと椅子に座るのを見て優梨は言った。
「そっか!いつか柚香が行ってた中学見て見たいや!とりあえず、今は椅子に座ろうよ!」
「うん、そうだね、いつか」
「じゃあ早速椅子に座ろうぜ」
2人に続いて新入生の席にそれぞれ向かった。
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