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ふと聞こえてくるのは校歌らしからぬドラムのリズムとギター、ベースの独特な歪み音。
最新音楽でテレビやラジオなどで流れそうな音楽より少しレベルの落ちたそれが壇上から響き渡る。
私たち1年生が視線を舞台に向けると、先輩らしき生徒がバンドを組んで音楽を響かせていた。
さながらライブでも始まったような雰囲気の壇上のグループ。
呆然とそれを見守る学生、いや、これはもはや観客。
あれ?これって校歌斉唱だよね??
心のなかで入学式の今の項目を確認しても、先生が言ったあの言葉をフラッシュバックで流しても今は校歌斉唱の時間。
学校はこれでも止めなくて良いのかな?
学生たちがそれぞれ思う心はテンションに表れ、それは明らかに舞台上との差が激しかった。
「さぁ、それでは皆さんご一緒に校歌歌いましょう!!せーの!!」
ボーカル?らしき人が言うと、イントロから曲が始まった。
正直、そこから先はテンションの違いのせいで全く歌う気にはなれなかった。
多分テンションの違いだけではないと思うが、ここはあえてそれだけの理由にしておこうと思う。
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