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「青山 拓馬(あおやま たくま)」
「はいっ!」
元気な返事を聞く限り、青山拓馬という人は体育会系のようだ。
なんてのんきに観察なんて出来ず、次へと順番は回っていく。
後残りは1人だ。
「飯島 睦(いいじま さとる)」
「はい」
もう隣の人の返事なんて聞いていられなかった。
もう次の順番。
心臓がこれでもかというほど大きく鳴る。
琴池先生は等間隔で名前を呼んだ。
「岩清水柚香」
「はいっ!」
目を閉じてお腹の底から精一杯の返事をする。
緊張がMAXに達してるため自分でもどんな声で返事したのかわからない。
言い終わった後笑い声とか聞こえたりしないあたり、どうやら大丈夫そうに思う。
閉じていた目をゆっくりと開くと注目されるほどのものではなかったらしく、琴池先生も次の生徒である優梨の名前を読み上げた。
「浦賀優梨」
「はいっ!」
相変わらずの元気な声で優梨は緊張もしてない様子で返事をした。
優梨の緊張に負けない心の強さに私は強く尊敬した。
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