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その男子生徒は壇上のマイク前までくると一礼をして全体を見るようにこちらを見渡す。
均等に散った顔のパーツが綺麗に並ぶその顔はやはりどこかで見た顔だ。
だが、テレビや新聞ではないことは確か。
モデルとしてテレビ出演をしててもおかしくはないが、テレビの向こうで見た記憶は確実に無かった。
もっと近くで見たような気がする。
だが男子生徒の顔を見ていると記憶の奥のさらに奥あたりがむずむずとして引っかかって出てこない。
正直非常にもどかしい気持ちになった。
んー、あの人絶対何処かで会ったことあるんだよなぁ、、、
考えるに堪えて、私は彼をよく知ると思われる優真に尋ねた。
「優真、あの人が誰か知ってる?」
「あぁ、さっき言った面白い奴だよ。あいつの中学時代は不良で、だけど変で、、、」
「そ、それは聞いたから誰かわかる情報を教えて!」
言葉を遮り催促をする。
つまらなそうに優真はため息を尽き「これからが面白いのに」とつぶやきながら渋々答えた。
「あいつはあんまり詳しく知らないけど柏学の新入生の中ではダントツの優等生だってさ。入試科目全教科1位をたたき出した天才だよ」
「へぇ、すごいんだね」
あんな訳のわからないテストで全教科1位を取るなんて、、、
本当にすごいけど変わった人だなぁと内心思った。
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