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目を閉じるとあの時の私がこっちを見ている。
傷だらけの体と憎しみに満ちた鋭く尖った視線。
今にも呪われそうな視線に睨まれると成長した私自身でも後退りをしてしまう。
あの時の私は言う。
氷のように冷たい声で。
あいつを許してはいけない。
許さない。許せない。あいつは絶対に、、、
その言葉で私は思い出した。
昔の私も今の私も変わらない。
心に負った傷はそう簡単に癒えない。
いくら月日が経とうとも、あいつに抱いた憎しみは絶対に消えない。
だから私は、、、
「あいつを許さない」
私はゆっくりと立ち上がった。
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