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「神月泰朋!!」
体育館に私の声が響き渡る。
ざわめいていた生徒達は驚き、その声の主に注目する。
神月も声のした方をゆっくりとみる。
しばらく睨み合った後、最初に口を開いたのは神月だった。
「なんだ?君は」
演説の途中に遮ったからだろうか、やや不機嫌そうに低い声で受け答える。
そのたった二言なのに発する言葉の威圧感が私とは全く違った。
だが、その程度では怯まない。
「私の事、覚えてる??」
「?」
「忘れたとは言わせない。お前のせいでどれだけ辛い思いをしたか!」
全身全霊で訴えるが神月には心当たりがないらしく、首を軽くかしげた。
その態度に私の溜まりに溜まった怒りはさらにヒートアップする。
「あの時のお前の言葉で私は傷付き、そして悔しくなった!お前のせいで私の小学時代が最悪になった!私をこんな風にしたお前とこんなとこで会う事になるとは思わなかったよ」
「あの時の言葉、、、?」
まだ神月はわかっていない。
私だけが覚えてるのが悔しいから、私はあいつに思い出させるキーワードを伝えた。
「あれを忘れたか?神月。いや、ヤスくん?」
「!」
私の放った言葉に神月は驚いた顔をした。
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