対立

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私の発言に神月はどこか満足そうに微笑んだ。 「君、名前は?」 「今さっき新入生氏名を呼んでたと思うけど?」 「俺は必要な名前しか覚えないたちだ。ライバルの名前をぜひ覚えておきたくてね」 さらっと驚きの言葉を言う。 神月にとっては当たり前なのだろうけどこれは人としてどうなのだろうかと思う。 そんな人間に任せておけるかと苛立ちながらも私は刻むようにその問いに答えを放つ。 「岩清水柚香よ」 無愛想な言葉に神月はなぜか軽く頷いた。 「岩清水柚香。覚えておこう」 そう言って神月は舞台袖の方に下がっていった。 「これは、楽しくなりそうだな」 小さくつぶやく言葉は誰にも届くことなく体育館のざわめきの中へ消えていった。
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