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「先生、何か隠してないですか?」
からかいを含めた疑いの目でまずは探りを入れる。
挙動不審に琴池先生はアルバムを大事そうに抱え込む。
「な、なにも隠してないですよ?なんでそう思うんですか?」
琴池先生の言動が不安定になってきている。
これで隠してるつもりだろうかと私は理解出来ないと言わんばかりに首を傾げる。
「先生、はっきり言って挙動不審にもほどがありますよ?」
「な、何を言ってるんですか。さぁこの話題はなかったことに、、、」
琴池先生がその場を動こうとした時、先生の後ろを指差し叫びをあげる。
「あ!教頭先生だ!!」
「えっ!」
叫びを聞いて急いで振り返る琴池先生。
琴池先生が振り向くのと同時に手に持っていたアルバムを擦り抜くように奪い取った。
あっという間に取られたアルバムを気にしながらも振り向いた先には教頭先生の姿はおろか人っ子一人いなかった。
「あ、あれ?教頭先生がいない??アルバムもないっ!?」
「アルバムはいただきましたよ!」
いたずらっぽくあっかんべーと私は先生に放ち、アルバムをもって走って去っていった。
「あ!岩清水さん、待ちなさい!!」
琴池先生は慌てた顔で必死に追いかけ始めた。
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