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廊下を疾走する私を追いかける琴池先生。
「待ちなさい!岩清水さん!」
ドタドタと走る音と静止させる叫び声が廊下を響き渡っていた。
走る2人は制服にスーツと動きづらい服装の為、走り方がどこかぎこちない。
動きが抑制されてるので、運動が苦手な私はさらに走るスピードが遅くなる。
それに比べ琴池先生は走る速さが桁違いに早く、みるみるうちに私との差を縮めていく。
「先生はやっ!」
その早さに思わず叫ぶ。
琴池先生はなかなか運動が得意なようだと判明したが、必死に走ってる私にとってこれ以上ない悪い知らせであった。
2人の差はもう手を伸ばせば届きそうな距離だった。
「岩清水さん、もう捕まえましたよ!」
顔に笑みを含ませながら琴池先生は目の前の往復する私の手を掴もうと手を伸ばす。
「捕まえ、、、」
「あっ!」
た!と琴池先生が言おうとした瞬間、突然声を上げ私は急ブレーキをかけた。
手を見ながら伸ばした手は相手の手の感触を感じるより前に顔面に強い衝撃が走った。
「ぐあっ!!」
「きゃっ!!」
琴池先生は何が起こったかわからないまま私を下に巻き込みながら前に倒れこんだ。
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