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「強引すぎるんだよなー朋哉は」
横から野次が飛び、あたしを引っ張ってきた男は笑いながら頭をくしゃくしゃかいた。
「あの、!」
捕まれたままの右腕を少し引くと、彼はこちらを見やり、にっと笑った。
「ごめんごめん、こっちにあんまり熱視線を送るから連れてきちゃった」
「あたしは…!」
熱視線なんて、送ってない。あんた達なんて、見てない。
そう言い返してやりたかったのに、底抜けに明るい笑顔に何も言えなくなっていた。
「一緒にサッカーしようぜ!」
また、笑う。
ふと、太陽のようだと思った。
そして、彼の近くにいると、日溜まりにいるようだと。
ーーこれが、あたしとトモの出会いだった。
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