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ドキドキと落ち着かないまま僕は自宅へ帰ってきた。
春陽は僕に気付いただろうか。というか蹴られてたあの子は無事なんだろうか。うめき声も聞こえなかったし、既に気絶していたように思う。
自室のベットの上に倒れ込み、目をつぶった。
無表情の春陽。振り子のように何度も何度も足を振り上げていた。冷たい表情。あんなの、僕は見たことない。
ふっと優しく笑った秋影さんの顔が浮かんだ。
なんか、顔が見たい。秋影さんのそばに行きたい。
頭を撫でてくれないかな、うるさいくらいに弾んでるこの心臓をどうにかして欲しい。
たぶん、僕は今、すごく不安定。
秋影さんに抱きしめて欲しい。
おじさんとおばさんのお葬式の時みたいに。
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