友達のいない少年

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「ふ、ふふふ」 嬉しさから思わず出てしまった笑い声を聴き、初めて二人がこちらを見る。どちらの顔からも笑みが消え、目を見開いている。その口から言葉にならない声が聞こえる。 どうやら二人とも僕に気付いていなかったようだ。ずっと傍にいたのだが。 「ふふふ、嬉しいなぁ。二人も友達になってくれるなんて」 何故そんな顔をしているのだろう。何故震えているのだろう。せっかく友達になれるのに。 でも、友達になるためにはこのままじゃ駄目だ。二人にも、僕と同じになってもらわなきゃ。 さあ、友達になってよ。
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