友達のいない少年

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朝から校内がざわついている。ホームルームが始まる時間が近いのにも関わらず、廊下で話し込んでいる生徒も多い。 ここでもまた、ようやく登校してきた男子生徒が友人に話しかけられているところだ。 「おっす。これ見た?」 「ん、どれ?」 友人が手に持った紙を差し出しながら問う。男子生徒は興味深げにそれを覗く。 「……何これ?」 彼が持っていたA4サイズの紙にはこの学校の七不思議が列挙されており、さらにはその検証ツアーを行う、とのことだった。 彼が言うことには、この紙は机の中に入っていたらしい。それも全校生徒の。 「でさ、このツアー、参加しない?」 「は?なんで?」 「なんでって、そりゃあ、おもしろそうだから?」 男子生徒はまたじっくりと紙を見る。それほど乗り気ではないのか、浮かない表情だ。
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