友達のいない少年

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オカルト研究部は、度々校門での奇妙な演説などを行っていた。そのために会長と他数名の顔くらいならわかるのだが、岸中大和と名乗るこの人物には見覚えがなかった。 「いやー、さっそく申し訳ないんですが、部長を始めとした他の人は今日来られないそうなんですよ」 「そうなんですか?」 主催者側が揃いも揃って欠席とはなんともいい加減なものだ。 「はい。明日のオープンキャンパスのために今日から泊まりがけで出かけているらしいです」 そういうことはしっかりと調べてから計画して頂きたい。最初からこれでは、先が思いやられる。 「まあそういうわけで、僕がこうして案内役を務めるわけですが、何分いつもは裏方仕事が主な人間です。不手際もあるかとは思いますが、お許しください」 その願いを断る理由もないためだろう。悠一は適当な相槌を打ち、ツアーの開始を待った。 どうやって校舎に入るのかと思っていたが、意外にも昇降口が開いており、堂々と入ることができた。なんでも、オカルト研究部の顧問がこのツアーに全面的に協力してくれているんだとか。そもそも顧問がいたことに少し驚きだ。 「さて、では順番に回りましょうか。まずは東階段ですね」紙に書かれていた順番に校内を巡るようだ。そこで七不思議についての話を聞かされ、検証し、写真を撮るのだが、やはり何も起きない。 そのままツアーは進んで行き、あっさりと七つ目の不思議の番となった。
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