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失敗した。まさかここまで自分が無力だとは思わなかったよ。
それにしてもアレは一体何だったんだろう?あんなのがいるなんて聞いてねーぞこのヤロ「げごぽっ」あ、血吐いた。
あー、流石にコレは死ぬよなー。血、出すぎて血の気が引いてきたのか寒くなってきたし。いや、参った参った。
えーと、二階級特進で……あ、一昨日解雇されたばかりじゃないか。おのれ上司め、化けて出てやる。
そういや死んだらどーなんのかな?あの世とやらは果たして存在するのか、天国とか地獄に別れてたり?
私は……どっちだろ?まぁ、いいや。
ユーレイとやらになってこの世に残るのかな?生まれ変わりとかがあるのかな?リンネテンショーって奴?それとも終わりかな。終わりって何?
永遠の謎だ。あ、でも私は死ぬからすぐに判るのか。ふふん、生者め、一足先に死後とやらを確かめに逝くぜ。
「…………」
虚しい。未練でもあるのかな?誰かに看取られて逝くんなら未練とかは……あぁ、でもそれはそれで悲しさやらが増えそうな気もする。
そだ、辞世の句とやらを遺してみよう。けどアレ、辞世の句て何だろ?まーいっか、ふいんき……違う違う、雰囲気でどうにでもなるよね。「んー、あー……うー」
取り敢えず、出来た。宛先は、この世さんへ、と
「この旅は 大変御世話に なりました
続きがあれば これからも
そうでなければ サヨウナラ」
……おお、血を吐かずにスラスラ言えた。内容は兎も角。
え?誤字があるとな。いや、コレで合ってるよ。ほら、月日は百代の過客にして行き交う人もまた旅人なり、って誰かが言ってた……よね?うん。
「というか五音、七音の使いやすさは異常だわ……」
五音七音だけで会話できそうだ。
「コホッ」おや、また吐血。そして視界がぼんやりと……そろそろかな。
いざ逝かん、レッツ死後。てな訳でお休みなさい――
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