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「ただいまー」
控えめな帰宅、靴を揃え二階に上がる。
もちろんその目的は、大人を探すため。しかし、母親も父親も、高校生以上の兄弟もみんなまだ帰っていなかった。
仕方なく居間に戻り、冷蔵庫からジュースを取り出す。
用意したコップにそれを注ぎ、乾いた喉を潤す。
すると、不意に振り向く希枝。
誰もいない居間の入り口を凝視し、完全に固まる。
「だれ……?」
どうやら一瞬の気配だったようで、その姿は捉えていなかったようだ。
しかし気味が悪くなったのか、ジュースを飲むのを止め、二階に再び上がった。
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