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お店に働いてから早々に指名が付きはじめた私は数人の古株のホステスに妬まれていた。
同伴ならお客さんと一緒にお店に行けるので古株と顔を合わせなくて済む。
ちょっと我が儘言える菅野さんに「同伴して」とお願いした。
「珍しいな、絢香が同伴頼むなんて。悪い仕事忙しくて今日は無理だな」そうだよね、急にお願いしても無理だよねぇ。
「そっか無理か…大丈夫だよ。またね。」そう言って電話を切った。でも、どうしても普通に出勤して古株と顔を合わせたくない…
祐輔さんが頭に浮かんだ。
この前祐輔さんが店に来てから3日しか起ってない。
『図々しいかな?でも頼んでみよう』そう思って電話した。
「まだ仕事?同伴お願いしたいんだけど…」
「ごめん月末で請求作りに追われてて、ついでに税理士と打ち合わせの約束があるから。どうした?元気ないけど?」やっぱり勘が良い。
「実は、お店でちょっと嫌な事があって凹んでるんだ。でも大丈夫だから。仕事頑張ってね」出来るだけ明るい声で言った。
「そっか、行ってやれなくてごめん。頑張れよ」切なそうに祐輔さんが電話を切った。
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