第一章『幽、人。』

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不意に誰かの声がして、僕は身を起こす。 声がした方を見ると、巫女さんがいた。 ……しかし、腋の部分がすっぱり空いた、妙な巫女服を着ている。 「君は……?」 「人に名前を聞く時は、まず自分から名乗るべきじゃない?」 「あ、そうだね。 僕は………………僕は……えっと。」 「どうしたの?」 「それが……名前が思い出せなくて。 自分がなんでここにいるのかも……分かんなくて。」 「記憶喪失ってわけ? 珍しいものね。記憶喪失の幽霊なんて。」 「え?幽霊?」 「そうよ。あんた幽霊。気づいてなかったの?」 幽霊……僕が…… ではやはり、僕は死んだのか。image=424458110.jpg
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