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道中なんの会話も無く。ただ千佳さんの後を着いて行く。
おっさんのマンションからは、歩いて15分程だと思う。
『ここ。ちょっと待ってね』
店に到着した。
外観は地味な感じ。平屋で、そんなに大きくも無い。それに、なんの建物かも良く分からない。
鍵を開けられ、真っ暗な中に入る。
千佳さんは先に入り、扉の向こうで入り口を塞いでいる店の看板を避けて電気を付ける
こんな場所なんだ。
行った事無いけど、テレビに出てくるスナックってこんな感じだな。
違和感は窓が一個も無いって事、んー。
開店は18時からだって。まだまだ時間ある
千佳さんは、カウンターの掃除とか おしぼりを温める機械に入れたりだとか、いそいそと動いてる
関係ないとは言え、見てるだけってのも、なんかね。
喫茶店で昔バイトしてた時とさほど変わらない様子だったので手伝ったりしてみた。
唯一違うのは、まだ見ぬ来たる客層か。オレ、本当に大丈夫なのかな。おっさんみたいなゲイが客だろ?不安。
『あの……』
つい、声に出してしまった疑問の問い掛け。
『ん?』
『オレ、あの人に何にも出来なかったんですけど。』
『あの人……あ、オーナー?良いんじゃない?みんなそれぞれだし。ノンケのテストって意味もあるんだ』
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