8人が本棚に入れています
本棚に追加
「……だから、本当はもっと深く傷つけても死なないんだよ」
「虚言症かっこいい~!愛してる~!」
彼女は僕に抱き着きおまけにほお擦りまでしてくる。
「宇宙人だけど愛してくれるのか?」
「宇宙人でも妖怪でもアメーバでも熊たんのぬいぐるみでも愛してる!」
「宇宙人だからいつか元の星に帰らなきゃいけなくても?」
「連れてってくれるよね?」
僕は胸が痛くなった。彼女はずるい。僕の好きなアニメのキャラと同じような仕種で僕を嫌でも頷かせる力を持っている。
毎回彼女にはお手上げで、ちょっと情けないけど、これは第20話のシーンと似ているからにはそのアニメに従うしかない。
僕は二次元を愛してるのだから。
「もちろん、宇宙の果てまでだって君をつれて行くよ」
「大好き!」
「バッチリ再現OK」
僕は彼女の頭を撫でる。もちろんこれも20話のシーンのささやかな続き。
こんなにも彼女は僕の求める反応--つまりは話の再現--をしてくれるのだから本当に星に帰る時にちゃんと連れて行ってあげよう。
仲間達を説得して、遥かな宇宙の豊かな惑星で彼女と暮らすのもいいかもしれない。
でもアニメも見れる惑星だからいつか齟齬が生まれるかもしれないな。
そんな時は彼女をこの星に返してあげよう。それが一番いい。うん。決めた。
、
最初のコメントを投稿しよう!