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授業終了のチャイムに、藤堂はメガネを外してケースに閉まった。
席を立ち教室を後にする。
二週間、土日以外毎日にこにこと廊下で待ち構えていた加藤がいない。
藤堂は口許を緩めて、ついに諦めたかと非常階段に向かう。
扉を開けて、中階段に腰かけて調理パンを取り出した。
「藤堂先輩!」
半分くらい食べ終わった頃、顔を赤くしながら加藤がやって来た。
「なんだ、来たのか」
藤堂の言葉に、加藤は眉を下げる。
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