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「八雲…ね。良い名前よ。その名のとおり心の広い子に育って欲しいわ。道人も賢悟もまだやんちゃで…男の子ってそうよね。」
「なぁに心配ないさ。お前も夢だったろ、娘と2人でショッピングに行くの。」
「えぇ…そうね。そうなる日が来るといいわ…」
…僕は小学一年生であった。名前のとおりか、小中と勉強に苦を感じたことはない。記憶力も悪くないと思ってるからあの日両親がこんな話をしていたことはもちろん、まる子がお姉ちゃんのノートの名前に『バカ』って書いてたとこまで覚えてる。
学校の先生は教えてくれない教科『人生』。きっと第三章ぐらいにあるだろう「世の中そんなに甘くない」って言葉の本当の意味を知ったのは、恥ずかしながら高校二年の時であり、アイツが生まれてから10年もかかった。長かったのか短かったのか、これが普通なのかはいまだにわからない。
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