現実世界 1 ある日の夜

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午前1時30分 日がまたいでも私は論文と戦い続けていた。 「……今日はもうこのぐらいにしときますか」 ほぼ諦めな気持ちが出始め、帰る準備をし始めた。明日の予約、隣部屋の電気の確認と指だし確認をしていた。 そして最後の小窓を閉め、カーテンをかけた。 その時、 コン、コン、 扉からノックの音がした。私はあわてて、帰りの荷物を持った。 「あ!すみません!今、出ますので」 上着掛けにかかっていたコートを着ようとした時だった。 「あなたが千歳奈々先生ですか?」 ? 警備員の人じゃない? しかし私は素直に返事をした。 「えぇ… そうですが…何か?」 「あなたに診察をお願いしたいのですよ」 それを聞いた私はすぐに納得をした。また口コミか雑誌で来た患者だと。ここ最近は無かったが前に、診察時間を過ぎているにも関わらず、よく来ていた時があった。またそのパターンの一人だと私は思っていたが一つ、疑問があった。その疑問を残しつつ私は答えた。 「今日の診察の時間はもう終わっているんですよね。だからまた後日いらっしゃってくれませんか?」 以前の対応通りの答えを言った。何かしらの答えはでるが、大抵は否定だった。 相手は何も言わず、沈黙が流れた。私はその間、バックの荷物を確認していた。少し時間が経ち、ようやく相手は喋った。
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