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呆れたような火留羅の反応をよそに、俺はしっかりと施錠された校門をよじ登り学園内へと進入する。
えっと……普通は、セキュリティとか反応するんじゃないの?
大丈夫かよ……我らが奏風学園は……。
そんなことを考えながら、火留羅の先導でアヤカシの気配の元へ向かう。
「ところでよ?戦うってどうすんだ?」
(あ、そういやなんも教えてなかった……)
「よし!まずはおまえを殺そう!」
このクソ化物が!俺を素手でおまえみたいな奴等と戦わせる気か!?
いつか、おまえも倒すぞ?
(おまえ、なんか武術は出来るか?)
「は?そうだな……剣道ならずっとやってっけど……」
(よし。それでいく……ん!?)
突如、火留羅の様子が変わる。周囲を警戒しているのが雰囲気で俺にも伝わってくる。
こういう時さ、大体漫画とかアニメだとさ……
「ほらぁ!!やっぱりぃぃぃぃ!!」
(中々、反応いいな?おまえ)
床板をぶち抜いて出てくるんですよ……こういうでっかい化物がぁ!
頭で考えるよりも早く、俺の体はひらりと宙に飛んでいた。
有に3メートルはあるか?このドデカイ筋肉ダルマは。
全身茶褐色のこんがり小麦肌。四肢はまるで丸太のように太く、蒼矢よりも三回りは太いか?
体にはボロボロの袈裟を纏っている。
おいおい……どうすんの?どうすんのさ!?俺!!
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