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「………ら」
「……ほむら!」
「鳳焔(おおとりほむら)!!」
「ふぇ?……ふぁ!!ふぁい!!!って、いでぇっ」
突然、名前を呼ばれまだ涎が頬を伝う状態で立ち上がる。あまりに勢いよく立ち上がった俺は、勢い余って机に膝をしこたまぶつけてしまう。痛すぎる!つか、恥ずかしすぎる!!
「大分、いい気持ちで寝てたみたいだがなぁ……流石に昼休みからずっと寝てるのは考え物だぞ?鳳ぃ」
「はははは……すいません」
「よぉし、鳳の目が醒めた所で次の問題いくぞぉ……」
赤面して席に着く俺の様子に、ドッとクラスから笑い声が起こる。
くそ!涙が出るくらいに恥ずかしいじゃねぇか!
俯いたままの俺に呆れたように声をかけたのは、担任の横内(よこうち)だ。
おまえだってもう40過ぎの癖に毎朝、頬に枕の跡着けて教室くるじゃねぇか!そっちのが恥ずかしいわ!
と、そんなことを考えているうちにチャイムが鳴り響いた。
「うし、んじゃ今日はここまでぇ、日直ぅ」
「起立、れ~い」
「ありがとうございましたぁ!」
はあ、やっと帰れるぜ。 少し長めの髪をかきあげ、眠っていた筋肉を起こすように背伸びをする俺。 ん?ああ。そういや、自己紹介がまだだったな。 俺の名前は鳳 焔。
年齢は17歳でこの私立・奏風学園に通っている高校2年だ。
身長は175㎝、体重は68㎏。
特技は、家柄もあってかガキの頃からやっている剣道くらいか。
好きなものは甘いものならなんでも。
まあ、至って普通の高校生だ。
「おまえ、何一人でブツブツ言ってるんだ?気持ち悪いな」
「うっせーな!こういうことは初めが肝心なんだよ!」
「は?なんのことだ?んなことよりよ!帰りになんか食っていこうぜ!俺様、腹と背中がくっついちまうぜ!」
「くっつけてみろ……」
嬉しそうに俺の前の席に腰掛ける、この野性味溢れるワイルドなヤツは俺のダチで名前を水上蒼矢(みなかみそうや)という。
綺麗な名前とは裏腹にガサツで大胆不敵。
身長は俺と大して変わらないが、短髪に筋骨隆々の様はまさにザ・キン◯マン!!という感じだ。
家が近所だったせいか物心着いた頃には、もう一緒に遊んでいたような腐れ縁。今日もまた、蒼矢と連れ立って帰路に着く。
にしても、こいつと食い物屋に行くと、決まって……
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