拡散するプロローグ-2.14

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シャドウと同じく、猫耳と尻尾の生えた少女が立っていた。 「おかえりなさいませ、お嬢様。どうぞ、こちらへ。」 ボクの誘導に対して無言で頷いて彼女は案内されるままに着いてくる。人目につかない一番奥の席…彼女の特等席だ。 彼女はいわゆるスーパーアイドルというやつで、あまり人目についてはいけないらしい。 本人は気にしていないらしいが、彼女のマネージャー兼ベースギターのフィリア(注:この喫茶店で働いているフィリアと同一人物)が、許さないらしい。ボクは少し過保護だと思うのだが… 「今日もトマトリゾットですか?」 ボクの問い掛けに対して彼女は無言で頷く。これもいつもどおりだ。 「かしこまりました。」 と、一礼して再び店の奥へと戻り、オーダーを伝える。本来、店のメニューにはトマトリゾットという料理は存在しないのだが、彼女の為に彼女が来た時はフィリアが作って持って行く。 まぁ、言わばこの店のVIP客といった所なのだ。 程無くして料理を作り終え、フィリアは彼女…鈴愛のもとへと今し方作り終えたそれを持って行く。
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